前回のおさらい
私のコーチングの土台になっている「アドラー心理学」と
コーチングセッションでの活用についてご紹介しています。
前回、アドラー心理学では、
「人間の全ての悩みは人間関係」であり、
その「人間関係」は4つの要素からなることをご紹介しました。
(1) 【環境】自分が置かれている場面
(2) 【関係】その場における相手との関係性（上司と部下、友人関係、夫婦など）
(3) 【自分】自分が自分をどう見ているか
(4) 【相手】相手が自分をどう見ているか
こじれた人間関係を変える唯一の方法
人間関係に変化を起こしたいとき、
上記の(1)~(4)のどれを変えるのがいいのでしょう？
結論から言えば、自分を変えるのが一番確実です。
自分の手の届く（コントロールできる）範囲ですから、
誰かがやってくれる可能性や運に身を委ねる必要もありません。
とはいえ、自分を変えることは
今までのとは異なる行動パターンを身につけたり
過去の辛い出来事と向き合ったりすることもあり、
とても勇気が必要な作業です。
そのため、自分を変えずになんとか
ならないかな、、、と
まずは考えたくなるのが
人間なのかもしれません。
あるあるパターン：自分を変えずになんとかしたい！
パターン1：他人に変化を無理強い
もし、相手が自分の理想通りに変わってくれたら、自分にとってはそれが一番楽ちんです。
ところが、相手は自分とは別の人間。
残念ながら自分の思い通りにはなりません。
もし何でも言うことを聞いてくれる人がいたとしても
一方的にアレをやれ、コレをやれと
言って強制させている関係は長続きしないでしょう。
パターン2：関係の中での役割を放棄する
例えば、上司は部下に仕事を割り当て、
部下は割り当てられた任務を遂行する役割があります。
もし、上司側が仕事の割り当てを放棄して、部下と話さなくなったら、
もし、部下側が上司の話を聞かず、任務の遂行を放棄したら。
衝突は起こらなくなりますが、
もはや上司と部下という関係はご破算。
関係性そのものが崩れてしまいます。
パターン3：環境を変える
どうしても、うまくいかない場合は、
悩みを抱える場面、シーンに遭遇せずに済むように
環境を変えてしまうという手もあります。
緊急の避難としてはこれが大事なときもあります。
しかしながら、環境が変わっても他の人と間に
似たような悩みを抱える可能性が拭えず、
あくまで対処療法、暫定措置となりがちです。
もしかしてあなたのお悩みも？
これらパターンのいずれかを検討しながらも
踏ん切りがつかなくなっているという悩みって多いのではないでしょうか。
例えば、、、
上司が全然評価してくれない。ダンナが家事を手伝ってくれない。
あの部下とは正直働きたくない。
もう今の仕事辞めようかな。もう離婚しようかな。など。。。
コーチングを受けるときに何をするのか
「自分を変えずになんとかしたい！」
と感じている場合には、
コーチはこれらの想いも受け容れます。
誰でもそう思いたくなるものですからね。
そして、あらためて
「破滅的ではなく、建設的に」
「自分のコントロールできるところにフォーカスして」
自分はどんな人間関係を望んでいるのかをみつめていきます。
まずは、自分がどのようなパターンで悩んでるのか。
そして、時に矛盾も含んだ自分の感情にフタをせず、
自分自身でしっかり受け容れることが
初めの一歩なのかもしれません。
とはいえ、「受け容れる」という感覚にも慣れていなかったり、
悩みが深いときには自分自身では対処しづらかったりするわけです。
そこで、コーチに話を聴いてもらいながら、
まずはコーチに自分のモヤモヤを受け容れてもらい、
それをキッカケにしようとする人が後を絶たないわけです。
さて次回は
とはいえ、それでも自分は変わりたくないと言う人もいるわけで。
そんなときに、コーチはどのように関わるのか
について書いていこうと思っています。
Kuni Coach @今日は奈良で宿泊
参考文献：アドラー心理学 人生を変える思考スイッチの切り替え方 八巻秀監修
